第30番: 平野山 高蔵寺 


<高床式の本堂>

読み:へいやさん こうぞうじ
宗派:真言宗豊山派
本尊:聖観世音菩薩
所在:千葉県木更津市矢那1245
詠歌:はるばると 登りて拝む 高倉や 富士にうつろう 阿裟婆なるらん
【起源・歴史】
 用明天皇の代(585年〜587年),徳義上人がこの地において,観音の宝号を一日に数千遍唱える修行を行なっていた。ある日,雷鳴が激しく轟く中,一人の老翁が現れ,「永く国土を守護し,衆生を済度するために観音が飛来された」と古木を指した後に忽然と消えた。上人がその梢を見ると,観音像が安置されていたので,堂宇を建立して祀ったのが始まりである。後に行基菩薩が観音像を刻み,その頭部に徳義上人が感得した尊像を納めた。
 この里の有力者だった猪(いのう)長官は40歳になっても子がなく,観音様に百日参拝をして祈ったところ,女の子を授かった。子与観と名づけられたその子は,心の清らかな子に育ったが,器量が良くなかったために良縁に恵まれない。そこで,父親同様に観音様にすがると,「鹿島に行って,日天を拝しなさい」とのお告げがあったので,そのとおりにしたところ結婚し,男子を授かった。この男子こそが藤原鎌足であるとされる。鎌足はこの観音を深く崇拝し,白雉年間(650年〜654年)に本堂や阿弥陀堂,三重塔,鐘楼などを建立した。
 貞観年間(859年〜877年)には慈覚大師が不動・毘沙門の両像を納めたとも伝わる。
 現在の本堂は大永6年(1526年)に藤原時重により建立された。お告げに従い,この地にあった「アサバ」という大木一本から造られたもので,このために本堂の柱には大小があるのだという。
 
【見どころ】 
 本堂:柱の数が88本ある珍しい高床式の本堂。床下から,秘仏であった本尊を拝観できるようになった。

 望叶観音:観音像としては非常に珍しい姿をしている。

 写し百札所観音像:江戸後期作のもの。床下に祀られる。

 観音浄土界・地獄極楽絵図:仏教の教えを誰にでも理解できるように,主人公の狸と河童が地獄に堕ちようとしているところを観音様に導かれて極楽浄土にたどり着く,という物語が描かれる。
 
【参拝データ】 
 拝観料 無料(床下の観音浄土巡りは300円)
 拝観時間 8:00〜17:00

 アクセス:
 <電車の場合>
  JR木更津駅から日東バス高倉観音下下車徒歩10分
 <自動車の場合>
  館山自動車道木更津北ICから10分

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